Muir Woods in AMERICA
Muir Woods in AMERICA
~ ジョン・ラッテンベリー 思い出の森 ~

カリフォルニア北部は自然の宝庫ともいわれ、人の手がほとんど入っていない雄大な自然が人々を癒している。── そんなアメリカの自然は、今も画伯のインスピレーションの源となっているという。森で過ごすのが好きだったという画伯の幼少時代の思い出を聞いてみよう。

サンフランシスコの北へ2、3マイルの場所に、古いアメリカ杉のあるタマルパイス(Tamalpais)という山のふもとの峡谷にミュア・ウッズ(Muir Woods)という名で知られている森があり、幼少の頃によく両親と訪れました。木々の大きさと共に森の空気の香りには訪れるたびいつも驚かされました。
西海岸のアメリカ杉郡はミュア・ウッズにそびえていて、ダグラスモミや、葉の大きなカエデ、タン皮のカシの木、月桂樹などがアメリカ杉に沿って生息しています。

この場所は、私にとってインスピレーションの湧き出すところです。260フィートの高さでそびえ立つ、樹齢千年を超える木々のあるこのミュア・ウッズの森を歩くと、博物学者ジョン・ミュア氏が何故『世界にある森の中でも木を愛する者にとって最高のモニュメントといえる』と表現したのかがわかります。それぞれの季節に特徴があり、秋の季節が一番暖かく、てんとう虫が群れていたり、レッドウッド湾には元気なザリガニたちがいます。
大きなカエデの葉が紅葉して落ち、冬の間、スチールヘッドとシルバーサーモンが産卵のためレッドウッド湾へ移ってきます。
春には鳥たちが巣作りをし、レッドウッド峡谷に野生の花々が点在します。
ブラックテールのシカが子鹿を生み、夏はフォグ、アザレア、アラリア、トチノ木、シマリスたちの季節です。
映画「スターウォーズ」の森のシーンで使用されていたのはこの「ミュア・ウッズ」です。それほど大きくて神秘的な、魅力ある森ということがおわかりになるでしょう。