MESSAGE
アメリカ、カリフォルニア州北部の街フォルサムに暮らすジョン・ラッテンベリー画伯は、自然の中に宿る普遍的な美しさを見つめ、研究を重ねた豊かな表現力でキャンバスノ世界に完璧な場所を追求し続けている。
GALLERY
ARTIST
Q&A
自然の美しさと、その驚くべきディテールは、作品を描くにあたり、イマジネーションを欠く事がありません。 ─ジョン・ラッテンベリー
大自然から受ける感動。それに触発されて次々に溢れるイマジネーションを描こうとするため、描くスピードが油絵の具にとっては早すぎるものとなり、油絵の具が乾くのを待ちきれなくなった画伯は、乾きの早いアクリル画に移行していったというのも、そのスタイルに迫ることができる興味深いエピソードといえるだろう。高い技術が無ければとても扱いきれないアクリル絵の具を用いて、刻々と変化してゆく自然と、そこに満ち溢れる美しさを瞬時に捉え、キャンバスの上に集めてゆく。
美の枠を集めた風景画は、崇高なほどの眩い光の集合体となり、絵の前で目を細める我々を惹きつけ、まるで森の中にいるように、心の底から深呼吸をさせる。それは、我々を包むこの世界の大きさ、強さ、美しさを感じさせ、感動の中に生命の尊さを思い起こさせてくれるからではないだろうか。
Q:アートに目覚めたのはいつ頃ですか。また、そういったきっかけで絵を描き始めたのでしょうか。
絵は5歳の頃から描き始めました。今までずっと何かをしたいと強く思っていましたので、その信念のもと、アーティストになれたと思っています。
Q:現在に至るまで作風に変化はありましたか。
そうですね。作品を創作する中で、異なった技法や手法を試みてきた時期もありましたから、作風は着実に変わってきましたね。ここ2~3年で自分のスタイルに一番合っていると思うのは、アクリル画でしょうか。
Q:影響を受けたアーティストはいますか。
今まで数多くのアーティストから影響を受けてきました。具体的に名前を挙げると、※1マックスフィールド・パリッシュ、※2アルバート・ピエスタッドとモネです。
Q:先生のこれまでのキャリアについてお聞かせいただけますか。
学生時代を通してずっと美術を学んできました。とはいえ、ほとんど独学で学んできたというのが正しいかもしれません。高校卒業後は、ガラスメーカーや大手リトグラフメーカーなどで働きました。直接絵画と結びつかないキャリアを積んでいた時も、新しいテクニックを学びながら、絵を描き続けていました。最終的には印刷業界を離れ、画家としてのキャリアを選んだのです。
Q:好きな色は何色ですか。
白です。白は私たちの周りの、全ての色に存在するからです。
Q:インスピレーションの源は何ですか。
自分を取り巻く環境と、自然の美しさから主にインスピレーションを受けています。
Q:現在、先生の作品に影響しているものは何ですか。
一番大きな影響を与えているものは、音楽ですね。私が音楽のアルバム用に作る楽曲は、リスナーの方々に私の絵画作品を見るのと同じようなイメージを感じてもらうように作曲しています。
Q:先生の好きなテーマは何ですか。
「夢」と「ビジョン」です。
Q:先生の作品技法について教えてください。
私は作品をアクリルで作成しています。絵の具が早く乾きすぎるのを防ぐため、また混ぜ合わせやすいので光沢液を使用します。まず空から描き始め、その後背面、表面へと進めていきます。また、描き始めるとグロスバニッシュを使って、イメージが傷つかないようにします。ブラシを使い、少なくとも6層のバニッシュをそれぞれの作品に施します。
Q:作品を作成していない時間は、どのように過ごされているのですか。
作曲をしたり、家族と時間を過ごしたりしていますね。たまに自転車で出かけたり、映画を見に行くこともあります。
Q:日本の皆様にメーッセージをお願いします。
私の作品を通して、それが今後数世代に渡って残るクオリティーの高い芸術品であることを知っていただき、将来長く楽しんでいただけるものになることを望んでいます。
※1 マックスフィールド・パリッシュ Maxfield Parrish(1870-1966):アメリカのフィラデルフィア生まれ。雑誌「ハーバーズ・バザー」「ライフ」などのイラストレーターとして活躍。細密描写と独特の明暗法が特徴。
※2 アルバート・ビエスタッド Albert Bierstadt(1830-1902):ドイツ デュッセルドルフ近郊に生まれる。北アメリカ西部の山並みなどの大自然をはじめて描いた米国で最も有名な風景画家の一人。