誰もの心の中にある“完璧な場所”

社会に出た画伯は、自らの技術を高めるためにも、色々なクリエイティブな職業に就き、研究を重ねていった。
19歳の頃には雑誌や広告に使う写真をエアーブラシで加工・編集する会社に、20代の頃は印刷に携わる会社で※1プレートメイキング、※2プルーイング、カメラワークなどを担当。その後、コンピューターグラフィックの専門学校に通い、さらに研究を続けるなど、長い年月をかけて豊かな表現の世界を追及していった。また、独自の芸術世界を求めたときに現れたのが、音楽の存在である。

画伯のCDアルバム「New Horizons」
“完璧な場所”のイマジネーションは音楽とともに訪れる。絵画と同時に作曲活動をする画伯。耳を澄ませば作品の中から美しい旋律が聴こえてくるようだ。

画伯の芸術活動は絵と音楽が同時進行してゆくのだという。作品に込められたイメージはキャンバスとともにグランドピアノやシンセサイザーを用いて独自の音楽世界をも構築してゆく。
また、制作活動に大切なのは家族と共に過ごす時間であるとも語る。自らのの幼少時代に両親に連れて行ってもらった森や湖で家族と過ごし自然の美しさや厳しさを子供たちに伝えながら、自らも芸術の分野における新たな発見を続けているのだ。

※1 プレートメイキング:印刷に必要な製版を作る作業
※2 プルーイング:印刷インクを調整し流し込む作業