Music

孤独なバラ

ニッサン・インゲル/孤独なバラ

彼の芸術に欠かせないひとつの存在。それが音楽である。ニッサン・インゲルは音楽から何かを享受し、絵に描くことでそれらを昇華させる。つまり、彼にとって音楽は”受け取る”ことであり、描くことは”与える”ことなのである。
個々の素材は異なる来歴のものでありながら、キャンバスの上に美しく調和し、互いに響きあっている―。これこそが、人々がインゲル作品を『音楽的な絵画』と称する所以なのである。


俳優にして脚本家、舞台芸術家、さらには実業や政治の世界でも活躍する、ジャン=ルイ・ルーは、インゲルの作品を『交響絵画』と呼び、次のような言葉をもって絶賛した。
「インゲルの芸術は、アンバランスの中にもバランスの良さを持っている。もし彼の作品が音楽的な作用を表現しているとするなら、ちょうど音楽家がリズムとハーモニーの調和を追及しているかのような感覚だ。彼の作品一枚一枚が”交響楽”の要素を持っているのだ。あたかもひとりの音楽家がパウル・クレーやカンディンスキーからインスパイアされつつ、各自のパートを完璧に演奏しているかのような・・・。インゲルの抽象的な絵画作品に用いられている要素ひとつひとつには具体性が存在し、彼のおぼろげな記憶や意識の断片を拾い集め、パズルのように組合わされることで、豊かで普遍的な感覚を表現している―。」

インゲルが愛した音楽

「画家になっていなかったら音楽家になりたかった」というニッサン・インゲルの作品は音楽から多くのインスピレーションを受けており、本物の楽譜の切れ端が印象的に用いられています。創作にあたっては、必ず何らかの音楽を聴きながらキャンバスに向かい、その曲から直接インスピレーションを受けることもあったという。


音楽から啓示を受けて創作する彼はクラシック音楽、とりわけオペラを愛し、作曲家ではモーツァルト、ワーグナー、バッハ、ベートーベン、マーラー、ブルックナーなどをよく聴いていた。他にもジャズや各国の古典音楽(イスラエルやアラブ、アメリカなど幅広く)にも親しむ音楽愛好家である。


「”音楽”それは人生。その全てがその国の言語を通して、喜び、悲しみ、そして痛みを表現している。いつも私の人生に寄り添っているものです。」と彼は語った。


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